チェコビールとは?

チェコビールとは、その名の通り、チェコ共和国(通称チェコ)の醸造所で製造されたビールのことです。

チェコは、ヨーロッパのほぼ中央に位置しており、周りはドイツ・オーストリア・ポーランド・スロヴァキアに囲まれた内陸国です。国の大きさは日本の5分の1ほどの、それほど規模の大きくない国ですが、千年の歴史を誇る世界遺産「プラハ歴史地区」をはじめとする12カ所の世界遺産があり、中央ヨーロッパ有数の人気観光地です。

日本ではあまり知られていませんが、チェコは美しい街並みや歴史的建造物以外に、世界有数のビール大国としても有名な国で、様々なビールを生産しています。「ヨーロッパのビール大国といえばドイツかベルギー」と思われる方が多いかもしれませんが、実はチェコビールは製造に古い歴史と伝統を持ち、ビールのクオリティーは世界でトップクラス。その歴史はとても長く、恵まれたビール作りの環境を背景に、昔から人々の生活の中で親しまれてきました。国民1人当たりのビール消費量においても、18年連続で世界一位を誇ります。長年トップにランクインし続けていることからも、現在もビールがチェコの人々の生活の中で、いかに親しまれ、愛されているかが分かります。

現在、世界中で醸造されているビールの大半はピルスナー・スタイルで、日本でもピルスナーは今や定番となっています。美しい黄金色にきめの細かい泡が特徴で、飲み口はスッキリと爽快なのが人気の理由です。この私たちが慣れ親しんでいる、ピルスナービールのルーツは実はチェコのボヘミア地方西部の都市、プルゼニ(ピルゼン)です。ピルスナーとは発祥の地であるピルゼンの名に由来するものです。チェコで生まれたピルスナービールは瞬く間に人気となり、世界中の市場に広がりました。このことから、チェコのビール製法は世界の多くの醸造所のお手本ともいえます。日本国内ではまだまだ飲む機会の少ないチェコビールですが、日本人に馴染みやすい味わいでありながら、プレミアム感と伝統を感じられる味わい深いビールで、他ヨーロッパ諸国のビールより、リーズナブルなものが多いのも魅力の一つです。

ビールの主原料の1つであるホップは、アメリカ、ドイツ、チェコが主な生産国で、それ以外として中国、イギリス、ニュージーランド、スロベニア、そしてここ日本でも栽培されており、広く世界に分布しています。その中でもチェコは特に質の高いホップの名産地として、世界第3位の生産量を誇っています。ホップは古代から自生していましたが、中央ヨーロッパでビールを作る為の栽培が始まったのは約1,000年前からと言われています。種類にもよりますが、ホップを栽培するのに適した場所として、周辺に川や小さな谷がある、なだらかな丘陵地帯が育成に適しているといわれています。ホップの味や香りなどは、育つ土地の環境(気候や地形、土壌など)が大きく作用します。ホップ栽培に適した土地で丁寧に育てられたチェコ産のホップは非常に香りが高く高品質です。そのホップの仕込み水には良質の美味しい湧水が使用され、チェコビール独特の豊かな香りや味に大きな影響を与える大切な原料となっています。高品質で歴史あるチェコ産のホップは、現在ではチェコ国内だけでなく、日本の大手ビールメーカーやクラフトブルワリーでも使われています。

日本での流通量が少ないため、種類が少ないと思われがちなチェコビールですが、その種類は豊富でバラエティ豊かです。それぞれのメーカーでは、厳選した原料と歴史ある製法に基づき、丁寧にチェコビールが製造されています。チェコのホップ農家や醸造所は、古くから伝わる職人技や伝統的手法を守りながら、信念を持って、確かな品質のビール造りを目指しています。

日本ではビールと食事を一緒に楽しむスタイルが一般的ですが、チェコでは、他の多くのヨーロッパ諸国と同様、あまりビールと一緒におつまみを食べる習慣はありません。ただひたすらビールを楽しむスタイルが主流です。しかしそんな中でもおいしいチェコ料理とともに新鮮なビールを楽しむ場面も多々あります。ビールによく合う伝統的なチェコ料理としては、ヴィネガーと玉葱をたっぷりのせたトラチェンカ(豚の煮凝り)やトライプ・スープ(豚の胃袋の煮込み)、また、一般的な冷菜であるウトペネッツ(玉ねぎやパプリカなどの野菜と一緒にウインナーを酢に漬け込んだピクルス)が人気です。日本でも馴染みのあるザワークラウト(キャベツの酢漬け)も実はチェコ料理では定番の一品で、ソーセージとザワークラウトのセットはチェコビールとの相性抜群の人気のおつまみです。その他にもチェコビールはハム、 ベーコン、チーズなどを使った様々な料理をはじめ、和食にも大変よく合います。あなた自身のお気に入りの一品と共に、チェコビールの幅広さや奥深さを楽しんでいただけることを期待しております。

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